重量鉄骨造で大空間の家を実現!重量鉄骨の特徴と施工事例
公開:2023.09.05 更新:2023.09.29「広々としたリビングが欲しい!」「狭小地でも部屋数を確保したい!」そんな願望を叶える建築構造とは何でしょうか。その答えの一つとして、今回は「重量鉄骨造」を紹介します。
多くの人にとって、重量鉄骨造は大規模な建物やマンションのイメージが強いかもしれません。しかし、この構造は注文住宅にも非常に適しています。本記事では、重量鉄骨造の持つ特徴や魅力を詳しく解説します。家づくりの際の参考として、ぜひ情報を活用してください。
目次
重量鉄骨の家とは – 木造や鉄筋コンクリート造との違い
住宅の工法・構造には様々な種類があり、一般的によく知られているのは木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造ではないでしょうか。重量鉄骨については聞き慣れない人が多いかもしれません。
ここでは重量鉄骨の家について、木造や鉄筋コンクリート造との比較も交えながら紹介していきます。
重量鉄骨とは
重量鉄骨は、鉄骨造(S造)という建物の構造で使用される鋼材の一種です。鉄骨造は、建物の骨組みとなる柱や梁に鉄骨を使用する工法で、その特徴として強固な構造を持つ点が挙げられます。
この鉄骨造には、「重量鉄骨」と「軽量鉄骨」という2つの主要なカテゴリーが存在します。これらは使用する鋼材の厚みによって分けられています。具体的には、厚さ6mm以下の鉄骨を使用した建物は「軽量鉄骨造」と呼ばれます。一方、6mmよりも厚い鉄骨を使用した建物は「重量鉄骨造」と称されます。
重量鉄骨の特徴としては、その名の通り鋼材が厚いため、強度が高くなっています。これにより、大規模な建築物や、地震などの外力に対して高い耐震性を持つ建物の構築に適しています。
木造や鉄筋コンクリート造との違い
木造構造の特徴
木造構造は、建物の基本部分に木材を使用する方法で、日本の伝統的な住宅建築において長らく主流でした。この「木造物件」は、「W造物件」とも呼ばれます。最近の大規模建物では他の建築方法が主流となっていますが、木の湿度調整能力は日本の湿気の多い気候に適しています。近年の研究により、木造の耐火性や耐震性も向上しており、多くの人々から引き続き支持されています。
重量鉄骨との違い
防音性において、木造よりも重量鉄骨造の方が優れています。さらに耐震性に関しても、木造と比較すると高い耐震性を持っています。また、シロアリなどの被害の心配がないため、耐久性も高いと言えます。
鉄筋コンクリート造の特徴
“Reinforced Concrete”の略で、RC造とも呼ばれます。鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込むことで建物の骨組みを作る工法です。コンクリートは圧縮に強く引張りに弱いため、引張りに強い鉄筋との組み合わせで、両者の長所を生かした強固な構造になります。
重量鉄骨との違い
重量鉄骨では細い柱や梁を使用できるため、開放的な空間デザインが可能となります。木造や軽量鉄骨造と比べると、重量鉄骨は防音性が優れていますが、防音性・遮音性に関してはコンクリート壁のRC造が上回ります。コスト面では、重量鉄骨の方が材料費や施工コストが低く、工期も短いという特長があります。
重量鉄骨の家はどんな人が向いている?重量鉄骨の魅力
マンションやビルなどで広く採用されている重量鉄骨。しかし、この重量鉄骨を一般住宅の構造に適用すると、どのような家が実現できるのでしょうか。
重量鉄骨のメリットと、それによって実現される住宅について詳しく解説いたします。
重量鉄骨のメリット
広々とした開放的な空間の実現
重量鉄骨造の最大の魅力は、高い設計や間取りの自由度と、その結果生まれる広々とした室内空間です。多くの重量鉄骨造では「ラーメン構造」を採用しており、柱と柱の間隔が広くとれます。
この構造は、柱と梁を一体化しているので筋交いが不要となり、結果として大きな空間を確保することが可能です。
これにより、広いリビングやキッチン、ダイニングの空間を一続きにした設計、ビルトインガレージの導入、吹き抜けの設計も容易になります。
縦の空間の活用
重量鉄骨の高い強度を利用して、3階建てや4階建ての施工も可能です。敷地の制約があっても、多彩な空間や間取りのバリエーションを取り入れることができます。
さらに、3階建て以上の家を建てる場面で、RC造との比較では重量鉄骨造の方が軽量です。そのため、特別な地盤対策が少なく済み、工事の手間やコストが削減できる点も大きなメリットとなります。
またRC造ではコンクリートの流し込みや乾燥の待ち時間が発生しますが、重量鉄骨造ではそのような工程がないため、比較的短期間で建設が可能な点も大きなメリットとなります。
上記のようなメリットを持つ重量鉄骨は、住宅により強い耐震性能を求める人や、仕切りのない広々とした空間を求める人、または3階建て以上の住宅を検討する人にとって適した構造と言えます。
重量鉄骨の家で実現する大空間の家
ここからは、重量鉄骨構造の住宅の施工事例を紹介していきます。今回取り上げるのは、臼井建築の重量鉄骨の家です。臼井建築は長年、木造住宅の建設を手がけてきた工務店として知られており、現在も多くの木造注文住宅を建てています。しかし、さらなる耐震性や広いリビングスペースなどを求める顧客の要望に応えるため、重量鉄骨の家の建設も多く手掛けています。
広々空間を実現した3階建ての家
3階建ての住宅は縦の空間を活用することで、ライフスタイルに合わせたさまざまな空間づくりが可能となります。
また、柱等を重量鉄骨により建築することにより、自由な間取りを実現しています。リビングは柱や仕切りがなく広々とした空間になっています。
重量鉄骨の和モダンな家
臼井建築なら、重量鉄骨を用いても和モダンな家を実現できます。今回紹介する3階建ての家の外観は、落ち着いたグレーを基調としています。一方、室内では無垢材の板張り床や畳の部屋を採用し、和の温かみを感じることができます。
さらにモダンな襖のデザインが、伝統的な和の空間に現代のタッチを加えており、非常に洗練された印象を与えています。
狭小地を有効活用した重量鉄骨の家
狭小地での住宅建築は収納スペースが限られるため、部屋が狭く感じることがしばしばあります。この住宅では、施工時から備え付けの棚を設置する、収納機能を持つ扉を取り入れるなど、各所に収納の工夫が施されています。
3階建てという構造を活かし、縦の空間も有効に使用することで、狭小地を最大限に利用した住宅として設計されています。
重量鉄骨の家を想像する際、冷たい鉄の家をイメージする方もいるかもしれません。しかし、今回の施工事例を通して紹介したように、床や天井を温かな木材で仕上げることも可能です。
重量鉄骨を採用することで、高い耐震性を持った住宅が実現します。さらに間取りの自由度が増し、柱や仕切りが不要な開放的な空間や、鉄筋コンクリート造に比べてコストを抑えた3階建ての家を建てることも出来ます。
臼井建築は、住む人の安全と快適を第一に考え、多様な住宅スタイルを提案・提供しています。公式ホームページには、今回紹介したもの以外の施工事例も豊富に掲載されていますので、ぜひご覧ください。