愛知の注文住宅で耐震性が必要な理由~南海トラフ地震に備えよう
公開:2023.12.26 更新:2023.12.29愛知での注文住宅では、南海トラフ地震に備えた耐震性の向上が重要です。耐震性の高い家は地震保険料割引と低金利の住宅ローンがメリットです。ただし、設計には制約が生じ、建築コストが上がる可能性もあるため、慎重な検討が必要です。
目次
いつ起きてもおかしくない!南海トラフ地震
南海トラフ地震の発生確率は70%で、住宅被害が予想されます。事前防災として、自宅の耐震性を補強することが重要です。
◇南海トラフ地震の発生確率は高まっている
日本は歴史的にも地震が多発する国です。近年、地震の発生頻度は増加傾向にあります。2019年6月から2020年5月の1年間で震度4以上の地震が46回、震度3以上では188回発生しました。震度1を含めると、1年間で1,688回もの地震が記録されています。
政府の地震調査研究推進本部によると、首都直下地震や愛知県などを中心とする南海トラフ地震の30年以内の発生確率は約70%と推定されています。これは、2016年の熊本地震の発生確率7.6%と比較して非常に高い数値です。
1995年に発生した阪神・淡路大震災は、兵庫県淡路島北部を震源とし、マグニチュード7.3の地震でした。この地震はわずか22秒間の揺れで多くの建物が倒壊し、6,434名の命が失われました。住宅被害は全壊104,906棟、半壊144,274棟、一部破壊390,506棟にのぼります。
南海トラフ地震が発生した場合にも阪神・淡路大震災と同様に住宅被害が予想されるため、一定の備えが必要です。
◇自宅に耐震性を持たせるべき理由
防災には事前と事後の対策があります。事後防災に関連するのは非常食、水、懐中電灯などであり、命を守るためには事前防災が重要です。事前防災には、住宅の耐震性の確認や家具の配置チェック、家具の転倒防止などが含まれます。
住宅の耐震性を補強するには費用がかかりますが、被災後の経済的な負担に比べればはるかに少ないことが多いです。耐震診断の結果に基づく耐震補強の平均工事費用は約160万円ですが、この金額は家の状況や工事の内容によって異なります。
また、地震で住宅が全壊した場合の建て直し費用は平均約2,500万円となり、公的支援と義援金は約400万円に留まりケースが多いです。そのため、差額の2,100万円を自己負担する必要があります。
引っ越しや家財の買い直しにも費用がかかり、新たな住宅ローンの問題も生じ得ます。災害時に避難所で生活することは、プライバシーの問題、感染症のリスク、ペットの受け入れの難しさなど、様々な問題を抱えています。
このような状況を避けるためにも、自宅で安全に過ごすために耐震性の向上が不可欠です。
耐震性を重視した注文住宅を考えよう
地震国日本において、住宅の耐震性は非常に重要です。注文住宅を建てる際、耐震性に特に注目し、家族の安全を最優先に考えることが大切です。住宅の耐震性を高めるためのポイントは3つあります。
◇ 建物自体を軽くする
建物の重さは、地震時の揺れに直結します。重い建物は大きく揺れやすく、それによって損傷も大きくなりがちです。軽量な建材を選択することで、地震時のリスクを軽減できます。
たとえば、木造は鉄骨造やコンクリート造に比べて軽量であり、耐震性に優れています。
◇ 耐力壁の量と位置を調節する
耐力壁は、地震や風などの横からの力に対して抵抗する壁です。耐力壁が多いほど耐震性は高まりますが、その配置にはバランスが必要です。耐力壁の位置を1階と2階で揃える、四隅にバランス良く配置するなど、計画的な配置が求められます。
◇ 床の剛性を上げる
耐震性の向上には、壁だけでなく床の剛性も重要です。壁と床は連携して機能し、床の剛性が高ければ、壁が受けた揺れを効果的に分散・吸収できます。耐震等級2や3では、床の水平剛性も計算に含まれ、これが耐震性に寄与します。
耐震等級が高い家を建てるときの利点と注意点
耐震等級が高い家を建てることは、地震発生時のリスクを減らす有効な手段です。しかし、耐震等級が高い家を建てる際にはいくつかの注意点も存在します。
◇ 地震保険料が割引される
耐震等級の高い家は地震保険の割引率が高くなります。具体的には、耐震等級3の場合、保険料が50%割引され、耐震等級2では30%、耐震等級1では10%の割引を受けられます。耐震等級の高い家は地震に強く、地震の際にも被害が少ないと考えられるためです。
住宅を新築する際に、地震保険に加入すると税制上のメリットがあります。地震保険料として払い込んだ金額に対して、所得税で最大5万円、住民税で最大2万円の控除が受けられます。
地震保険に加入した際には、年末調整や確定申告などにより必ず手続きすべきです。
◇ 低金利のローンが組める
耐震等級が高い家を建てる場合、フラット35Sなどの住宅ローンで金利の優遇を受けられます。金利優遇は、住宅ローンを利用して耐震性が高い家を建てる際に、総返済額が減少し、経済的負担を軽減できるメリットをもたらします。
住宅ローンの返済額は2000万円から3000万円、時には4000万円以上になることもあり、金利の優遇を受けられると総返済額は100万円単位で減少します。
◇ 希望通りの間取りや広さにできない可能性がある
耐震性を高めるためには、耐力壁を増やしたり、柱や梁を太くしたりすることが必要です。耐震性を高めようとすることで、建物の設計に制約が生じる場合があり、希望通りの間取りや広さにできない可能性があります。
また、耐震性を高めることは建築コストを高める要因にもなります。耐震等級を高めるためには、耐力壁の追加や耐震金物の設置など、追加の建築コストが発生します。さらに、耐震等級の評価を受けるための費用も必要です。
そのため、耐震等級の高い家を建てる際には経済的な負担が大きくなります。
日本は地震が多い国であり、近年、南海トラフ地震の発生確率が増加しています。このため、愛知で注文住宅の耐震性を向上させることが非常に重要です。
政府の推定によれば、南海トラフ地震の発生確率は約70%とされており、阪神・淡路大震災のような被害が予想されています。そのため、自宅の耐震性を高めることは、将来的な経済的な負担を軽減する重要な対策です。
具体的には、建物を軽量な建材で建てること、耐力壁の配置を計画的に行うこと、床の剛性を向上させることなどがポイントです。また、愛知の地域特性に合った注文住宅建築も検討すべきです。
耐震等級の高い家を建てるメリットとして、地震保険料の割引や低金利の住宅ローンがあります。しかし、設計には制約が生じ、建築コストが増加する可能性もあるため、慎重に検討する必要があります。愛知での注文住宅建築においても、地震対策を念頭に置いた計画が大切です。