耐震性の高い理想の間取りの注文住宅を建てる!課題と対応法を紹介
公開:2024.05.27 更新:2024.05.27注文住宅の魅力は間取り、設備、デザインの自由度の高さにあります。これにより、居住者のライフスタイルや好みに合わせた住空間を実現できます。
例えば、料理好きのための広々としたキッチンや、読書愛好者のための静かな書斎、趣味のアイテムを収納するための大容量の収納スペースなど、各個人の要望に応じた設計が可能です。
一方、建売住宅は購入時に構造や間取りが限定されている傾向にあり、自由度は下がります。注文住宅であれば、各家族の独特のニーズに合わせた住まいを設計でき、日々の生活をより豊かにする間取りやデザインを選べます。
目次
注文住宅の魅力とは?間取りの自由度の高さ
注文住宅の魅力は、やはり間取りや設備、デザインに対する自由度の高さです。これらの要素は暮らしやすさや居心地の良さを左右するため、家にこだわりたい方の多くは注文住宅を検討する傾向にあります。
◇ライフスタイルに合わせた間取りにできる
注文住宅では、お施主様の要望を取り入れて設計・建築される新築住宅のことです。リビングの広さや部屋数、収納スペースなど、自分たちが思い描く住まいを実現しやすいことが最大のメリットです。
例えば、料理がしやすい広いキッチン、読書や仕事に集中できる書斎、趣味のアウトドアグッズをしまう大きな玄関収納などを希望する方も少なくありません。このように、注文住宅では間取りの自由度が高いため、自分や家族の個性や好みを反映できるのが魅力です。
一方、建売住宅では購入時に間取りが固定されており、居住者はそれに合わせた生活スタイルを取り入れるしかありません。
◇デザインや建築仕様にも希望を反映できる
注文住宅では、外観から内装、使用する建材に至るまで自由に選べます。おしゃれなカフェ風、西海岸リゾートホテル風、古民家風など、希望の見た目を実現することも可能です。また、デザインと関連が深い建築様式とそれに用いる建材も取り入れられます。
一方、建売住宅では、提示されたパターンからデザインを選ぶ、あるいは外壁の色や壁紙の種類など、構造に直接関わらない部分については変更可能といった対応が多く見られます。
間取りによっては耐震性が下がる可能性がある
注文住宅に希望の間取りを取り入れる場合は、耐震性を低下させないよう注意しましょう。ここでは、人気の間取りと耐震性について解説します。
◇吹き抜けを取り入れると耐震性が低下する
吹き抜けは開放感や明るさを生み出すため、多くの注文住宅で取り入れられています。しかし、吹き抜けがあると、その部分が壁で支えられていないため、建物全体の耐震性が低下する可能性があります。
家を支える柱が減少することで、その構造的安定性が低下する場合があるのです。さらに、吹き抜けの窓を大きくすると、壁の面積も減少し、その結果、耐震性が損なわれることが考えられます。
◇廊下のない住宅は耐震性が低下する
廊下のない間取りは、部屋を広く取れるメリットがありますが、壁が少なくなるため、建物全体の耐震性が低下する可能性があります。壁は建物の骨組みを支える役割を果たし、その数が少ないと地震の揺れに対する耐性が弱まります。
◇希望の間取りと耐震性のバランスが取れる業者に相談
理想の間取りを追求するだけでなく、耐震性とのバランスも考慮することが大切です。そのためには、専門的な知識を持つ建築家や業者に相談することを推奨します。
例えば、地盤の強い土地、揺れにくい構造、正方形に近い間取りなど、顧客の要望を叶えつつ、安全性を確保するための最適な設計を提案できるからです。
注文住宅で耐震性を高めるための取り組みとは?
注文住宅の耐震性をより高める方法を解説します。
◇耐力壁を用いる
注文住宅で耐震性を高めるための一つの方法は、耐力壁を用いることです。耐力壁は、建物が地震や風などの横から作用する力に対して抵抗する壁のことを指します。これらの壁は、建物の骨組みとなる柱や梁と一緒に、建物全体の強度を保つ役割を果たします。
耐力壁は、筋交いや構造用合板などを用いて作られるのです。筋交いは柱と柱の間に斜めに木材や鉄筋を設けたもので、地震の揺れに対して抵抗します。一方、構造用合板や耐震パネルを壁に張り付けることで、壁全体が耐力壁となり、より大きな力に対抗できます。
◇筋交いで補強とインテリアの両方を兼ねる
筋交いは、その強度と見た目の特性を活用して、インテリアとしても利用できます。筋交いは通常、壁の内部に隠れていますが、見せることで空間に特徴を与え、同時に建物の耐震性を高められるのです。
例えば、筋交いを見せることで、空間にダイナミックな要素を加えられます。また、筋交いの存在を活かして棚やデスクなどの家具を設置することも可能です。これにより、筋交いはただ建物を支えるだけでなく、空間を豊かにする要素ともなります。
以上のように、注文住宅で耐震性を高めるためには、耐力壁の使用と筋交いの活用が重要です。これらの要素を適切に取り入れることで、耐震性の高い、安全で快適な住まいを実現できます。
耐震性とデザイン面の両方を備えた施工事例
開放感が高まる吹き抜けを取り入れたいと希望する方も少なくありません。
◇吹き抜けの周囲を補強した住宅
吹き抜けは開放感や明るさを生み出すため、多くの注文住宅で取り入れられています。しかし、吹き抜けがあると、その部分が壁で支えられていないため、建物全体の耐震性が低下する可能性があります。
あるハウスメーカーでは、構造用合板で吹き抜けの小屋裏を、吹き抜けに隣接する屋外バルコニーの床で吹抜まわりを補強しました。開放感を保ちつつ、耐震等級3を確保しています。
◇耐震構法SE構法によりリビングの広さと耐震性を確保
あるハウスメーカーは、木造住宅の構造技術「SE構法」で吹き抜けリビングを実現しました。
ラーメン構法による強い構造躯体と、一棟一棟に対する基礎から上部までの厳密な構造計算を行うことで、少ない材料で地震に強く、しかも空間を自由にデザインしやすい家を実現しています。このSE構法を用いることで、リビングの広さと耐震性を同時に確保しました。
理想の間取りを追求しつつ、安心安全に過ごせる住まいを実現するために、耐震性とデザイン面の両方を備えた施工事例が参考になります。
注文住宅の最大の魅力は、間取りや設備、そしてデザインの自由度が極めて高いことです。居住者のライフスタイルや好みに合わせて、完全にカスタマイズされた住空間を実現することが可能です。
例えば、料理を楽しむために広いキッチンを設計したり、読書や仕事に集中できる静かな書斎を設けたり、趣味のアウトドアグッズを整理するための広い玄関収納を確保するなど、各個人のニーズに応じた設計ができます。
また、家族の成長やライフスタイルの変化に合わせて、将来的なリノベーションや拡張の可能性も考慮に入れた設計が行えるのも大きな利点です。
対照的に、建売住宅は購入時点で間取りや設備が限定されており、大幅な変更は困難です。注文住宅においては、個々のライフスタイルや趣味を完全に反映した住まいが実現可能なため、住まいがただの「場所」でなく、住む人の個性や価値観を表現する「空間」となります。